鴨家キッチンのまおこです。
今日は、今までひた隠しにしていたマンガオタクな私の一面をここに晒しまーす。
マンガ好きの方ならご存知かと思いますが、
2016年マンガ大賞を受賞した作品が「ゴールデンカムイ」
ニッポン放送アナウンサー、ヨッピーこと吉田尚記アナと、全国の書店員さんが投票で決める、
前年度一番面白いぜ!なマンガを決める賞です。(ヨッピー大好き
)
で、このお話、主軸となるのはアイヌが残した埋蔵金が奪われ、隠された。
それを探す埋蔵金ハントの話なんですが、
主人公の杉元佐一(元日露戦争兵士、不死身の杉元という異名をもつ)と行動を共にする
アイヌの少女アシリパとのやり取りの中で、
狩猟、アイヌ文化がサブテーマとして扱われていて、
狩猟、アイヌ大好きな私としてはドストライクなマンガだったので、
珍しく自ら単行本を買い集めています。
ちなみにこれ以外で買っているのは「山賊ダイアリー」(笑)
で、作中でアシリパが作る
アイヌ料理が魅力的で、いま注目を浴びているそうです。
正直、このマンガ、埋蔵金云々の話はスリリングですが、
その根底に描かれる、アイヌ文化の精神と、現代社会の精神との対比は
あまりにも地味っていうか、一般受けしない内容だと思っていたので、
これ、集英社でしかも週刊連載かよ!っと驚いていたところの、
まさかのマンガ大賞受賞!
ムヒカ大統領の来日とか、いろいろ重なって、(スピーチまだ読んでない人はぜひリンクから飛んでください)
え??日本、なんか
トランジションしてる??
と、実はかなり嬉しいニュースの一つでした。
そんな中、このブログに「ゴールデンカムイ」「アイヌ料理」という検索ワードからたどりついている人がちらほら増えてきて、
ついにある新聞社さんから「アイヌ料理」についての電話取材の依頼が。
全国でもアイヌ料理を出しているお店ってあんまりないんですよね。
いや、1回しかお客さんに出してないから!
その時の料理は
こちら
と、思いましたけど、私なりに思い入れも強いので喜んで取材をお受けしました。
で、アイヌ料理の魅力ってなんですか?アイヌ料理って何ですか?という質問にうまく答えられなかった気がして、
改めてちゃんとここに記しておこうと思います。
アイヌ料理の魅力とは何か??
それはちゃんと「命をいただいている」ことを強く実感できること!
ともすれば、ファストフードに偏りがちな現代社会。
だれが作ったかわからない食材が寄せ集められて、
カタカナのよくわからない化学物質にまぶされ、
工場から出荷され、最後提供するバイト君も、それが何で、どのように作られたか知らない。
無論、食べてる我々もCMイメージでしか知らない。
それが現代社会の食の現状。
アイヌ文化では、食べるものも、道具もすべて自然の中で、自ら狩猟採取して、
加工して、調理して、食べたり使ったりする。
アイヌでは、すべてのものに神が宿る、というか、神そのものだとされています。
熊も、狼も、水も火も、木もぜーんぶ。
なので、食べるためにはまず、命をいただくところから。
神の命をいただく、というより、これを神としてまたあの世に送り返すという意味合いを持ちます。
食べるために命を絶つことは、その命を神としてあの世に送り返すということ。
そしてそれを感謝して自分の体に入れる。
それが獲って、食べるという営みになります。
それができて初めて「ヒンナ、ヒンナ」が言えるのです。
アイヌ料理は、最後お皿にのった食事のことを言うのではなく、
この、命を自ら獲って、調理し、食べ、感謝し、神の国に送り返す。
この一連を指して、アイヌ料理というのだと思います。
そして、読者はその力強さや、清々しさや、自然の前での人間の無力さに心を打たれるのではないかと。
そしてもう一つ大切なのは、
季節のものを食べる。
ゴールデンカムイでは、今のところ季節はずっと冬だったのですけれど、
今週号から春の野草などを料理しているらしいです。
ヤングジャンプ読みに行かねば!
前のブログに書きましたが、元祖のアイヌ料理は
塩と魚や獣の脂、あとは野草類の風味付けくらいしか味付けの要素がなく
色々なおいしいものに慣らされた舌にそのまま美味しいといえるかどうかはかなり疑問。
でも、味だけではない、その料理がここに至るまでのストーリーが何倍もその皿を美味しくさせるのかも。
鴨家キッチンで提供したアイヌ料理はまだ1回だけですが、
基本、オープンデーでお出しする食事は特にこの
命を自ら獲って、調理し、食べ、感謝し、神の国に送り返す。
という一連の流れを意識しています。
全部の食材をその方法で調達することはまだできていませんが
特にジビエ!娘よ!早く猟師になってくれ!
そして、それの象徴がフォレストガーデンであり、
つながりのある農家さんや猟師さん。
皆様のおかげで今日も私は楽しい暮らしです。
ありがとうございます!
最後に、ゴールデンカムイの表紙を開くと、カバーのところにいつも同じ言葉が記されています。
カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム
天から役目なしに降ろされた物はひとつもない
者ではなく物なのが大事。この世界の中で、人は何ら特別な存在ではないということ。
5月のオープンデーは5/8(日)と5/25(木)
まだまだ空きがあります。ご予約はオーナーメールかお電話で! 090-3951-6753(金澤)